相続に特化した専門家 大阪の司法書士・行政書士のまえかわです。
本日のご相談は、受任中のクライアントより。
不動産の相続登記を進めていまして、被相続人の方が韓国籍のため、必要な韓国戸籍等の書類もそろえ、弊所で翻訳まで用意して、あとは相続人の方の捺印をもう一人分いただければ登記が進められるという最終段階。
ここで、そのあと一人の相続人の方が急に協力してくれないということになったそうです。
通常ですと、協力すると言ったあとに、色々な人から様々な話が耳に入り、
「ハンコ押す代わりにハンコ料ちょうだいよ」
なんてことになる場合は、それほど珍しくありません。
ところが、今回のケースでは、そもそもこの相続手続をそのままにしておくとあれだからちゃんとしておいたら?
と話しを進めてくれた方であり、さらに今回の手続きに関し金銭等も望まないとのことで、「????」という状況です。
取り合えずは、先方のお考えが分からなければこちらも動きようがないので、今回の手続きは置いておいて、何を望まれているのかをまずは、話をしてもらえるような状況を作ることをご提案させていただきました。
ハンコを押さない理由はその方によってそれぞれです。
「そんな大した価値のない不動産なのに、なんで押さないの?」
と思われるかもしれません。
しかしながら、スムーズに手続きを進めるには、どんなに価値のない土地や建物であっても相続人の方のご協力が必要です。
次の段階で、調停や裁判に進んでいくにしても、それまでにできることはすべてすべきで、協議で円満にできるに越したことはありません。
裁判手続きに進もうか、あるいは弁護士に相談するとなった時点(あるいは実際にはその気はなくても、そのような話が耳に少しでも入った時点)で相手は
「戦う気だな!」
と思って身構えて逆にかたくなになってしまうので、協議で話をすすめるためには本当に慎重に進めなければなりません。
他の相続人に漏らした情報が違った風に先方に伝わってしまって、協議が難しくなることも考えられます。
直接先方のご意向を聞かれるのが一番かと思います。
何か解決への手がかりがつかめ、一気に良い方向に進むことも少なくありません。
今までの関係が友好でなければ難しいこともありますが、もし今まで友好な関係を築けているのであれば、相手を思う気持ちがあれば解決に向かう可能性十分にあると思います。
悠里司法書士・行政書士事務所(相続専門家) 代表 司法書士・行政書士まえかわいくこ