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相続登記と売買による所有権移転(売却)のタイミング 同時にできるのか?

/相続登記と売却


相続登記(相続による相続人への名義変更)と売買による所有権移転登記(売却)は同時にできるのか?

 

亡くなった人の名義のままになっている土地や建物を売却したい。

その場合は、亡くなった方の名義のままでは売却できません。

 

まずは、相続登記で、相続人の誰か(もちろん共有名義にもできますが、売却手続きを考えると一人の名義にしておくほうがスムーズです。一人の名義にしても、売却代金を相続人全員で分けるとすることも可能です。)の名義にしなければ、売却による所有権移転登記ができませんので、実質不動産を売ることができません。

では、この二つの登記

 

「売主名義にする相続登記」

「売買の買主名義にする所有権移転登記」

は同時にはできないのか?

 

という疑問が生じます。

 

結論は、

 

 

「実体上は、できる」

が、

 

「実務上は、しない(ほぼ「できない」と言ってよし)」

です。

 

 

司法書士業務のうち登記申請の部分だけで考えると、所有権移転登記(相続)、所有権移転登記(売買)に必要な書類さえ揃えれば、実体上は、同時に申請(連件申請)が可能です。

 

ただし、相続登記が終わって、売主名義になっていることが登記簿上で確認できない不安定な状態で、高額な売買代金を買主が支払うか?

といえば、よっぽどの関係でなければそういったことはあり得ません。

 

また、受任する側である司法書士としても、

確実に相続登記が完了して売主名義になっていないのに、売買代金の支払いを買主さんにOK出すことは、まずありません。

 

万が一、相続登記がうまくいなかなかったときには、司法書士が責任を負う可能性があります。

そんな危険を冒してまで、同時に進めることは、実際にはほぼないです。

 

ただし、物件の金額がただ同然で、さらに、親族間などであり、万が一相続登記が無事完了しないことがあったとしても、損害が何ら発生しない場合は、ご依頼者のご意向によっては、全くお受けできないというわけではありません。

 

今、受任している中で、弁護士さんが2人関与(相続財産管理人、保佐人等)していて、さらに元在日韓国人の方が被相続人となっているかなり複雑な相続登記の案件があります。

そして、そのあとの売買も決まっている件で、同時にする案を相談されましたが、それは残念ながら出来かねると、相続登記登記先行でしていただくことにしました。

(どうしても同時の場合は、受任は辞退しようと思っていました。物件も5000万円以上で、別会社購入ということで、とても同時には進められません)

 

上記のような実務上のお金の流れや、慣例などは司法書士や、その辺りの業界の人以外は普通知らないことですので、同時にできないか?と思われるのも不思議ではありません。

 

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司法書士・行政士

前川 郁子

常にご依頼者の望むことを第一に考え
業務を勤めてまいります

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