「亡くなった父の不動産の相続登記をお願いしたいのですが、実は父は北朝鮮籍だったようです」
といった、ご相談をお受けすることがあります。
このような案件でも、書類の調査を進めてみると、ほとんどの場合は、「北朝鮮籍」に当たると考えられる方はいません。
住民票上の国籍欄に載っている国籍は、元々外国人登録制度(平成24年に廃止)に記載されていた国籍がそのまま引き継がれて記載されており、
そもそも、外国人登録で記載されている国籍は、父(母)や祖父などの時代から、何もしていなければそのままの記載になっています。
すなわち、まだ、朝鮮が北と南に分かれていない時に、一世にあたる祖父や曽祖父が日本にわたってきて、外国人登録制度開始後に「朝鮮」と記載されていれば、その下の世代(父の世代など)で、「韓国」に変更する手続きなどを取っていない限りそのまま「朝鮮」となっています。
ただし、この場合も、上の世代を調査していきますと、大抵は南に本国住所があり、韓国の戸籍(現在では除籍)が出ることが多いのです。
※今までかなりの在日の方の相続登記や、他の司法書士の相続登記に必要な戸籍の調査を行いましたが、本国の住所が北にある方は2.3人のみでした。
朝鮮=北朝鮮
ではなく、
朝鮮 = 韓国 または 北朝鮮
となり、
ほとんどのケースでは、「韓国」であるのです。
※厳密には、南に戸籍があったとしても、韓国でないという考えもありえますが、相続手続きにおいては、相続人がどちらか判断することができないので、通常韓国ということで進めるのが実際のところです。
国籍が朝鮮とあるから、北朝鮮人だというのは誤解ですので、いちどよく情報をご確認いただくほうがよろしいです。