元韓国籍であった帰化して、死亡時点では日本人となっていた場合の相続登記に、帰化後の韓国書類(相続証明書にあたるもの)が必要か?
まず、大前提として、被相続人が帰化している元韓国人であった場合の相続登記に、韓国書類自体は必要か?
答えは、
「必要」
です。
しかし、ここでさらなる疑問が・・・。
帰化前、帰化後 どちらも必要なのか?
あるいは、帰化前だけでよいのか?
「帰化前の韓国書類については、帰化した時期が、幼少期でない限り必要になる。」
というのは、司法書士や相続にかかわる法律専門家であれば容易にわかるはずです。
帰化する前に、婚姻歴があって、他に相続人にあたる子供が存在するかは、帰化する前の韓国書類を見なければ判明できません。
帰化前の韓国書類は必要なのは間違いないとして、では、
「帰化後の韓国戸籍は、いるのか?」
という部分については、なかなか難しい部分です。 ※正確には、韓国は戸籍は廃止され、2008年1月1日以降はすべて家族関係登録制度に移行され、現在韓国戸籍というものは存在しませんが、以下便宜上「韓国戸籍」という言葉は使用いたします。
そもそも、韓国戸籍と日本の戸籍とは絶対的に違う部分があり、そこを理解していなければ議論もできないということになるのです。
それは、韓国戸籍は日本の戸籍のように、婚姻、離婚(こちらは、現在では、韓国に届出することしかできないので、過去の分に限る)、出生、死亡などの戸籍に記載される身分行為等の内容が、必ずしもすぐに反映されたり、絶対に載っているものではないという重大な違いの部分です。
また、帰化をした場合、日本の法務部長官からの通告により自動的に国籍喪失となり、韓国戸籍から抜ける場合もあれば、そのまま残っている場合もあり、下手すれば帰化していても、そのまま韓国戸籍上に残っていれば韓国書類では、別人とさらに韓国人として婚姻し、子まで設けている可能性も否定できないし、また、届出が遅れることもあるという性質を考えれば、想定していない相続人に当たる人が載っている可能性が否定できないのです。
ただし、
「登記実務的に、帰化後の韓国戸籍を添付していないと、相続登記が通らないか?」
という結論部分になりますと、
「つけなくても、通ることのことが多い」
というのが実際のところです。
登記官がどれだけ上記のような韓国書類上の事情を知っているか?
といえば、知らない人のほうが多いため、日本の相続をベースに考えて判断するためだと思います。
わたしが登記官なら、帰化後の被相続人の韓国戸籍は絶対に見ておく必要があると考えますが・・・。
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