当事務所で、以前帰化申請のご依頼をお受けし、無事日本国籍を取得された方より、今度はお母さまの相続手続きについてのご依頼を受けた件のお話です。
最初、相続手続きをする金融機関より、お母様の韓国の家族関係証明書、基本証明書を取ればよいと言われたということで、
「いやいや、相続手続きでその書類だけでよいってことはまずありえない」
と思いつつ、その情報もご依頼者に伝えたところ、それでよいということで、まずはそこからスタート。
所定の書類の原本と翻訳文を用意して提出したら、案の定足りないと言われたということ。
さらに、お母様の死亡の旨やその前に亡くなったお父様の死亡の旨が韓国に届けられておらず、死亡が分からないので、それを韓国書類に載せてからもっかいもってこいと言われ、これはこのままでは進んまんぞ・・・と思い、直接金融機関の担当者と話すことに。
(最初から相続手続きで丸投げでお受けしてたら、お手間取らせなかったのになーと思いますが、費用の関係もありますので、こればかりはご依頼者のご希望に合わせるしかありません。)
直接話してみると、やはり在日の方の相続については不慣れで、どんな種類の書類がどのような意味を持っているか全く知らない様子。
詳しく説明したうえで、結局、韓国書類で死亡を証明していなくても、普通一般の相続手続きで通用する程度のもので一度揃えてもらえればそれで基本的には進めましょうということになりました。
お任せいただければ進むのは早い。
依頼を決めていただいてから、3日以内には韓国書類はそろい、翻訳も完了。
あとは、日本の死亡を証する書面だけやな~と思って請求したら、お父さんは出るけど、お母さんがでない。
死亡届が出ないって普通あまりありません。しかも、相続開始から1年ぐらいしか経っていない。
届出人は依頼者だし。
役所と掛け合って何度も調べてもらってもない。
ご依頼者に経緯を詳しく聞いてみると、葬儀屋に死亡届は出してもらったということ。
葬儀屋に聞いてもらったところ、〇〇区役所に夜間に出したということ。
その区役所は亡くなったお母さまの住所地で、現に請求中の区、しかも葬儀屋もその区にあるという。
葬儀屋にないと伝えると、届出人(=依頼者)が、東大阪市が住所だから東大阪市役所に転送されているかもしれない。と。
役所に聞いたら、そんなことは考えられないという返答。(そりゃそうでしょうね。)
「え~もしかして死亡届出せていない?そんなことある?出せてなかったらどうしたらいいの?」
とご依頼者。
私:「そんなことまず考えらないので、死亡届出した控えでもなんでも葬儀屋さんからもらってFAXしてください。探して見つからなかったら、住民票取ってみて死亡の記載があるか確認してみましょう。」
で、FAX来ました。
名前のところは、日本名で届出しているけど、これ普通役所で内容確認の上、その他欄に本国名などが記載されるから分かるし、そもそも通称名も本国名も分かる情報すべて記載の上請求しているから、そこではなさそう。
でも、肝心な大阪市〇〇区長のところは、出す前の控えだから空いてて分からない。
そこにひとつだけ可能性低いけど、お母さまの死亡した病院のある区が分かったので、ダメ元で調べてもらったらそこにあった。
もし、なかったら、どうやって調べたらよいか分からなかったな~とホッと胸をなでおろしています。
帰化手続きや相続手続きで死亡届写しは頻繁に請求していますが、ここまでてこずったのは初めてでした。
まあ、最悪死亡届がされていたら、住民票で何とかお願いして進めることができたでしょうし、死亡届が実は出されていないことが分かったら(そんなこと普通有り得ない気がするけど)届出をすればよいので、方法はいろいろあるけど、少しややこしいのはややこしいので、あってよかったです。