相続関係複雑でなくても、在日の方が遺言書を作成しておくメリットのひとつ⇒翻訳料を押さえられること?
/司法書士向け韓国戸籍取得・翻訳/韓国人 相続 遺言/韓国人(帰化した韓国人を含)と遺言/韓国人の相続登記
今日は、久しぶりに同期の司法書士さんから連絡を頂きました。
内容は、数年前に弊所で、ある登記をした方が別のご相談でたまたまご自宅のお近くということで、その司法書士さんの事務所にご依頼された件で、ご本人がお持ちの資料の中にうちの発行した書類が含まれていたということで、当時の情報についての確認のお電話でした。
当時お渡しした権利証がないということで、情報を確認したところ、やはり確かにお渡しし、受領印まで頂いていたことが判明し、その後ご自宅に変えられて探したらすぐに見つかったということです。
さて、本題に入りますが、今回のご相談内容が遺言執行ということで、被相続人の方が在日の韓国籍の方の相続登記の案件であったため、あわよくば、相続人を特定するための相続関係証明書に当たる韓国書類(韓国戸籍)の収集・翻訳部分をお受けできるかも?
と思い、内容を確認すると、生前公正証書遺言をきちんと作成されており、関係も日本の書類だけで証明できそうであり、わたしの出る幕はありませんでした。
(普通は、被相続人のすべての韓国書類や、相続人に関する書類も取得される方以外の方のもすべて必要となるので、収集する韓国書類や翻訳もそれなりに出てくることも多いです)
というわけで、今回のケースのように、遺言書を作成しておけば、遺言者と相続する人との関係を証明するだけの書類で相続登記が可能となるので(死亡当時の状況によって、韓国書類は一部必要となるケースのほうが多いですが、かなり量は減ります)、たとえ、相続関係が複雑でなくても遺言書を作成しておくメリットはあるかもしれないということです。
ただし、きちんと手続きで使える遺言書を確実に作ろうと思えば、公正証書遺言で作ることが無難で、そのためには別途、公証役場や行政書士(公正証書遺言書作成だけで受けれるかどうかは別として司法書士)費用がかかるので、結局は翻訳したほうが安くなる可能性も有りえます。
こればかりは、ケースバイケースで、実際に相続が発生してみなければそういった書類にいくらかかるか、公正証書遺言をきちんと作ったほうが費用が抑えられるのかは分かりません。
個人的な考えとしては、自分で相続に必要な書類が確実に用意できる、と確信が持てない場合(ほとんどこれに当たると思います。)は、遺言書を作っておいたほうが無難と思っています。
在日の方の相続については、韓国書類やそれに代わる日本の書類でも相続関係を証明できないことも少なくないためです。
現在では、自筆証書遺言を法務局で保管してくれる制度もありますので、在日の方の相続に強い司法書士等にご依頼いただき、この法務局の自筆証書遺言書の保管制度を利用するのもひとつの方法です。
(自分の判断だけで自筆証書遺言を作成し、法務局で保管してもらっても、使える内容かどうかは法務局では判断しませんので、蓋を開けてみれば使えないということも多々考えられますので、自己判断は避けるほうが無難です)
なんしか、在日の方の相続は一筋縄ではいきませんので、100人いれば100通りの相続手続きとなりますので、不慣れだと法律専門家でもかなり大変です。
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