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想定外の相続人が続々判明。居場所も生死も全く分からないところから、無事登記完了まで

/司法書士 相続手続き/相続登記実務


先日から、何度かブログの記事で登場していました案件についてです。

 

妻や子である近しい関係の方数人しか関与する相続人がいなくても、全く進まない件もあれば、

今日のお話の案件のように、遠い遠い親戚にあたる人が多数、相続人として関与しなければならないケースであっても無事に1人の名義にすることも可能

 

ということもあり、不思議といえば、不思議ですが、司法書士の感といいますか、揉めずにスムーズに進みそうかは直感でビビっとくるものです。

 

早速、内容に入ります。

 

この件は、ご自宅のマンションの名義を自分の名義にしたいという、3年ほど前に亡くなった被相続人(マンションの名義人)の妻にあたる方からのご依頼でした。※具体的には、おばさまは年配だからということで、間に入っていただいたのは甥御さんに当たる方でした。

被相続人とご依頼者との間には子がおらず、父母等直系尊属も既に他界しているということで、この案件はみなさん日本人の方ですで、ご依頼者のほか、兄弟も相続人になるというケースです。

被相続人には、3人の妹がおり、そのうち1人は幼少期にお亡くなりということで、残りの二人の妹さんに協力をいただき、ご自宅のマンション名義を奥様の名義にするという前提でお受けすることになりました。

 

実際に手続きに入り、戸籍をたどっていくと、被相続人の父は、実は3回も結婚していたことが判明。

 

まず、

 

一回目の結婚の間に子が1人。この方は幼少期にお亡くなり。

 

二回目の婚姻の間に子が6人。そのうち5人は子のときに亡くなっているか、婚姻や子もおらず亡くなっている。

ただし、残りの1人はこれまた2度婚姻をしていて、前婚の間に1人、後婚の間に5人の子をもうけており、被相続人より先に亡くなっているため、この6人は代襲相続人となる。

 

三回目の婚姻が被相続人の母との婚姻。

 

ということで、結局、関与する相続人は、ご依頼者を含めて9人ということに。

 

被相続人と父母を同じくする妹さえ、異母兄弟姉妹が存在していたことを知らなかった状態ですので、もちろん、ご依頼者は、その方たちの存在も居場所も全く心当たりなし。

 

住民票のあるところに、お願いだから住んでいて欲しいという願いで住所の調査をし、無事書類上では、各相続人の住所にはたどりつくことができました。

 

この時点では、実際にそこにお住まいかどうかは分かりません。

 

行方不明の可能性もありますし、かなり年配の方も含まれますので、住民票上の住所に住んでいなかったり、居場所が分かっても、協力をお願いできる状態でない(たとえば入院されている、意思能力がないなど)などの可能性も十分にあると覚悟の上、司法書士から丁寧なお願いの文書と、御依頼者からのお手紙をご送付し、ご協力をお願いする郵便物を送付しました。

※このお手紙については、何度か作成しなおしをお願いしまして、最終的にお送りした丁寧な内容で先方にはご依頼者のお気持ちは伝わったのではないかと思います。このようなケースでは、同封するするお手紙は非常に重要です。この内容ひとつで、協力してもらえるかどうかが変わると言ってもいいものです。(司法書士が細かい部分説明してもよいのですが、わたしは個人的には、入れれる限りはご依頼者からのお手紙に入れていただくほうがよいと思います。まあ、ケースバイケースなのですが・・・)

 

ご協力の可否のご返送も一緒にお願いしたら、何と1週間~10日ぐらいで全員から、協力するという封書が戻ってきたのです。

最初のほうに戻ってきた方なんて、こちらから送付して2、3日後というスピーディさ。

素晴らしい、この家系は、優秀すぎる!って正直思いました。

 

 

この今回判明した相続人の方々がわから見ても、被相続人は、遠い親戚関係となるわけで、そもそも存在も知らない状況で、突然そのような書面が届いたにも関わらず、この判断と行動のスピードはホントすごいな~としか言えません。

 

その後、気が変わらないうちにと思い、遺産分割協議書や上申書など速攻作成し、手数料プラスαの小為替、返送用の封筒を人数分準備し、発送。

 

祈る気持ちで待つこと約2週間。

 

戻ってきました! 全員全く問題ない同封書類、捺印状態で!(一人だけ2週間かかりましたが、それ以外の方は1週間以内に来ていました)

 

大概は、捺印をお願いしても、何人かはきれいに捺印できておらず印影がかすれていたり、印影が重なっていたり、実印とは違う印鑑で押してきたり、印鑑証明書の同封を忘れたり、とかあるのですが

ひとつもない、全然不備がない~!

 

 

ホントにめっちゃ優秀すぎる!!

 

中には余分に入れた小為替のおつりはどうしたらよいですか?

と電話をわざわざかけて来ていただいた方もいました。

余分に入れさせていただいている点は書面には記載はさせていただいてたのですが、本当に礼儀正しい方です。

 

二つの管轄にまたがる登記だったの(こちらも後日書きますが、マンションの底地がひとつ別管轄(別の市)となっていました)と、法務局の繁忙期にかかったため、かなり完了までに時間がかかりましたが、無事、ご依頼者である奥様の名義となりました。

 

ところで、全く関係ない話ですが、建物とメインのほうの底地の登記は先に完了していて、もう一つの管轄完了をまっていたのですが、

奥さまの名前あてで、売却してほしいというDMがもうすでに入っていたということで、そこまで不動産会社の情報は早いのか?と驚きました・・・。

 

今回は、途中から相続人が判明したケースであったにも関わらず、みなさん協力していただけたため、それほど登記自体は難易度が高いものではなかったですが、やはり送る手紙や書面の内容には一番気を使いました。

 

まあ、相続人の方がどんな方か分かりませんので、どれだけ丁寧な文書を送ってもダメな場合はダメで、無駄になることもあると思いますが、今回は功を奏したと思います。

 

とにかく、無事に完了して、ご依頼者に感謝のお言葉を頂き、ホッとしております。

亡くなられたご主人も今頃、安心されているのではないかと思っております。

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代表者プロフィール

司法書士・行政士

前川 郁子

常にご依頼者の望むことを第一に考え
業務を勤めてまいります

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